「還暦からの底力」 出口治明APU学長著〜その5 シュレーダー元首相の年金改革

この本読んでみました

老後の貧困という不安の解決策

出口さん曰く「解はある」
「国民年金にしか加入できていないパートやアルバイトなどの全ての被雇用者を厚生年金に移せば老後の貧困といった問題の多くは解決できるのです。
では、なぜ実行できないのか。
それは中小企業の経営者が『社会保険料を支払ったら商売が成り立たなくなる』といって反対しているからです。」
(「還暦からの底力」P.25)
※厚生年金保険の保険料は企業と従業員が半分ずつ負担して支払う仕組み

ドイツ シュレーダー元首相の年金改革

ドイツの鉄血宰相ビスマルクは社会保険の父
「プロイセンのために働いた市民を、動けなくなったら放置するようでは、プロイセンの将来はない。」
シュレーダー元首相の改革
「人を雇うということは、その人の人生に責任を持つということである。社会保険料を払えない企業はそもそも人を雇う資格がないのだ。」と言い切りました。要するに、人が元気なときだけ安い賃金で働かせて、その人が弱ったら放り出すのはビスマルクの精神に反しているのだと。
また、経営者の「パートやアルバイトの給料は少ない。そこから社会保険料を引いたらかわいそうではないか。」との反論には、『正社員はたくさん給与をもらっているから事業主との負担割合は5対5でいい。しかしパート、アルバイトは給与が少ないんだから事業主が7~8割以上負担すればいいだろう。』つまり、社会保険料を均等負担ではなく、傾斜をつけて企業負担分を増やす設計にしたのです。」
シュレーダー改革を継承したメルケル前首相
「次の選挙で敗北したシュレーダー元首相に代わって登場したメルケル首相は『シュレーダーの政策は私の政策とは対極にある。ただし個人的には政治家としてシュレーダーを誰よりも尊敬している。最も尊敬している政治家が政治生命をかけて行った政策をいじるつもり毛頭ない。』といってシュレーダーの大改革を引き継ぎました。」
(「還暦からの底力」P.26)

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