「真実は美しく単純である」という信念を持っていたアインシュタインは、食事も質素で、お酒も飲まず、紅茶やコーヒーを愛飲していたそうです。
もし、そんな彼に敢えて薦めてみるとしたら、真っ直ぐで濃厚、仄かにピートの香りはするが、いたずらに甘くもなく武骨ではあるが実直な男のような『THE MACALLAN』かも知れません。言わずと知れた、スコッチウィスキーの王道です。
物理学者の内山龍雄博士の著書「一般相対性理論」の序説に以下のような記述があります。
『19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけて、地球の絶対速度を測定しようとする種々の実験が試みられた。しかし、これらの実験の結果はすべて当時の物理学から推論される結果とくい違った。そこでこの食い違いの原因を説明し、なんとかつじつまを合わせようとする努力がいろいろなされたが、そのような努力のうちで最も有名なものがLorentzの収縮仮説である。
このような後ろ向きの努力に対して、Eisteinは従来の物理学に内蔵されていた独断的な考えを棄て、実験結果の示す自然の教えを真実として率直に容認すべきであると考えた。彼は多くの実験の教えることを2つの原理、すなわち相対性の原理と光速度不変の原理としてとらえ、それらを指針として新しい物理体系を作り上げた。
これが相対性理論(後にこれは特殊相対性理論とよばれる)である。この理論は、地球の絶対速度に関する実験と理論との上述のような食い違いに決着をつけたばかりでなく、その後の多くの実験事実によりその正しいことが実証された。』
(内山龍雄「一般相対性理論」序説より)
アインシュタインがどうやって相対性理論を発見したのか、天才には突然アイデアが空から降ってくるのか、はたまた愚かな人類の為に、神がアインシュタインという予言者をこの世に遣わしたのか。
凡人の僕から見ると、ニュートン力学と相対性理論の間には、かなりの落差、正に崖のような勾配があって、突然変異的に相対性理論が生まれ出たかのような印象だったけれど、そうではなかった。
実験結果が既存理論と矛盾した時、ローレンツのように従来の物理学に固執するのではく、あっさりとそれを捨て、『自然の教えを真実として』認める、平明に真っ直ぐに事象に向き合う姿勢が、異次元の発見につながっていくのだ。ひょっとしたら、人は時空の壁も越えることができるかもしれない。
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