Scuba Diving in Guam

2000年GW グアム

2000年5月1日 1st dive Blue Hole

Diving Point… Blue Hole
水温28.9度。視界35m。平均水深20.1m。最大水深38.8m。潜水時間28分。...快晴。

今年の僕たちも、Guam Tropical Dive Station (GTDS)の門をたたいた。
お店のドアを開けると、GTDSのオーナーであり、トレジャーハンターとしても著名なmr.ジョンとその奥さんのmrs.ポーラが大歓迎してくれた。
でも、98年の夏、ここで潜ったときお世話になった日本語の下手な日本人ヒロさんは、少し前に退職して事業をおこしたという。残念。
今回のインストラクターは、陽気なイタリア人、mr.ビンス。
船も大きな双胴のヨット。そのデッキにダイバーが50人はいたかもしれない。
その殆どは、日本人。

さて、ブルーホール。
ここはグアムで一番有名なダイビング・スポット。
水深18mくらいのところに広がる岩だなの端にぽっかりと写真のような穴が開いていて、そこから一気に潜行していき、水深38m位のところから海底に向かってぱっくりと開いた裂け目を通って外に出る。
穴は、その下の海底90mまでずっと続いていて、常に自分の水深を確認しながら潜らないと、とても危険なところ。

今回、mr.ビンスはこのブルーホールを外から攻めた。
アンカーポイントから、右旋回して岩棚のドロップオフへ。
そこから、断崖に沿ってどんどん潜っていき一気に最大深度まで。
そして、岩の裂け目からホールの中へ。
入り口のところで、最初にエントリーしたダイバーたちとすれ違った。
家の奥さんが、ライトを借りて、奥の方へ入っていった。
ホールの奥には、山のようなキンメダイやアカマツカサの仲間の群れ。
ちゃんとしたフラッシュライトがあれば、綺麗な写真をとってあげられたかもしれない。

それから岩だなの散策。
珊瑚は少ないけれど、岩の穴や石の下にはいつもの熱帯魚たちが群れていた。
ふと、気づくと、家の奥さんが遥か頭上に。焦った。大いに焦った。
慌てて引き戻しに行こうとすると、我らがmr.ビンスも気づいてくれ、一目散に彼女の下へ。
危なかった。
最後は、エグジットする船を間違えるハプニングのおまけ付き。
mr.ビンスもずいぶん慌てていたのかもしれない。

2000年5月1日 2nd dive Finger Reef

水温28.9度。視界20m。平均水深12.9m。最大水深20.8m。潜水時間43分。...快晴。

ブルーホールから、湾内に戻り、フィンガーリーフへ。
ここでも、僕達が最後にエントリー。今度はちゃんとみんなと一緒に潜行できた。
15mから20mくらいの珊瑚棚を右方向へ。
茶色い珊瑚が続く。でも、魚たちはやはりカラフル。
突然、mr.ビンスが、あれを見ろ!とばかりに沖の方を指差しす。
...が何も見えない。残念ながら、動体視力が極めて悪い。
奥さん曰く、『大きな影が3つ。カジキだったかもしれない。』そうだ。
ここは、とても大きな珊瑚棚で、あちこちで、盛んにウインナーをやるが魚の集まりが悪い。
どうも、食べ飽きたらしい。

15分ほど進み、Uターン。今度は右手に珊瑚の壁を見ながら、
徐々に珊瑚棚の頂上を目指す。頂上にはお馴染みのソフトコーラルにクマノミ。
やっと、人気者に会えた。
ここで、エア残が600になり、エグジット。
浮上するとき、以下の隊列を見つけた。一列に綺麗に並んで小魚を追っていた。

船に上がると、さっそく昼食。いつものチャモロ・ランチ。
以外に美味しい。奥さんが、『船の上で食べるからかなぁ。』と、ぽつり。
そうかもしれない。でも、あしたもチャモロだと、ちょっときつい。

2000年5月2日 1st dive Blue & White

水温28.7度。視界20m。平均水深14.4m。最大水深34.6m。潜水時間45分。...快晴。

青い海と白い砂。ブルーアンドホワイト。
今日は、大型クルーザー。50人はいただろうか。船内には一杯のダイバー。
今日のインストラクターは、こんがり日焼けした笑顔が眩しいタイニーガール、ユミコさん。
エントリーして、アンカーロープの方へ行くけれど、あまりの人の多さに誰が誰だかさっぱり分からない。
と、下の方で手招きをする人がいるので、てっきり、ユミコさん?!
...と思って追いかけていたら、トントンと背中を叩かれた。
どうも人違いだったらしい。

だだっぴろい珊瑚礁の上を右に左に潜ってまわったが、魚影は少ない。
こんなところにもクマノミはいるけれど、その可愛らしさは変わらないようだ。
透明度は、良くない。
やがて、タンクの残圧が1500を切り、そして1000を切った。
でも、インストラクターのユミコさんは、右に行ったり左に行ったり、どうも落ち着かない。
どうもおかしい。一向に浮上する気配もないし、船影も見えてこない。
やがて、残圧は500のあたりに。そして、500を切った。
これ以上はうろうろするようなら、勝手に安全停止して上がるぞ。と、
思っていたら、ユミコさんも覚悟を決めたのか、
亡羊とした海の真中で、安全停止を開始した。
ちょっと、危なかった。

2000年5月2日 2nd dive American Tancar

水温29.2度。視界10m。平均水深14.6m。最大水深20.4m。潜水時間42分。...快晴。

海亀がいた。ポイントにつくと、いきなり海亀がボートのそばまでやってきた。
海の底へ逃げて行く海亀の背中を追って、みんな慌てて飛び込んでいった。
エントリーすると、ぼ~っとタンカーのブリッジらしき影が見えた。
タンカーのデッキまで、おおよそ15mくらい。視界が悪い。
うちの奥さんは、海亀を追いかけて勝手にどんどん潜って行く。
その先に海亀の後姿が消えかけて、やっと奥さんは我に返ったように上を振り向いた。

ブリッジをぐるりと回って船尾へ。最後部の扉から船内へ。
天井に空気溜まりが...でも、みんなの吐いた息の塊だからとても危険。
みなさん、気をつけてください。
急に奥さんがぼくの手を掴んだ。
ぼくが狭い部屋の中でバランスを失っていたので、助けてくれたのかと思ったら、
どうもおかしい。
他の人達が前方のドアから次々に部屋を出ていったので、
掴まった手を解いて、奥さんに前方の扉を指差すがまったく反応がない。
やむなく体勢を立て直し、僕が先に扉から外へ。
奥さんも続いて外へ。
どうしたの?と後から聞くと、なんと閉所恐怖症。暗く狭い船内でパニックになっていたらしい。
危なかった。
部屋から出て、甲板を船首の方へ。
甲板には、小さな珊瑚があったり、魚が藻をつついていたり、自由なのは彼らだけかもしれない。

2000年5月3日 1st dive Crevise

水温28.8度。視界30m。平均水深16.1m。最大水深32.3m。潜水時間45分。...快晴。

今日のメンバー。
二流役者のようなおじさんと若いかもしれないけどコメントできない奥さん。
サングラスをするとビートきよしのような若い男に綺麗な女の子。
クレビスは、魚影も濃く、透明度も高く、ベストコンディンション。
アンカーロープに沿って潜行。
トム・クルーズそっくりのmr.ブレントの後ろに続いて谷に降りていく。
クレビス名物、ひとつ岩の上を舞うように右方向へ流れていく。
垂直に聳える断崖の下をくぐって、その向こうのなだらかな斜面を少しずつ登っていく。
ウツボが2匹。殺風景な岩肌に頭をだしていた。
周りには、沢山のダイバーが群がり、少し可哀想。
斜面を登りきると、広い岩棚の上、一面に魚の群れ。
と、mr.ブレントが、岩にあいた穴をこづきまわしはじめた。
なにがいるのかと、思ったら、蛸。
なかなか出てこない。軟体動物は、やっぱり、厄介。
足がでてきた。みんな目の色が変わった。
そこに墨。プーッと吐いて、穴の奥に逃げて行った。
ゆるゆると漂いながら、ロープのところへ。
徐々に浮上を始める。
ふと見下ろすと、海の底の方でゆらゆらと、
二流役者のおじさんがビューカムを構えて漂っていた。
あの奥さんと一緒に。
ん~ん、見なかったことにしよう。

2000年5月3日 2nd dive Barracuda Rock

水温29.2度。視界30m。平均水深8.7m。最大水深15.2m。潜水時間57分。...快晴。

崖から転がり落ちてきた大きな岩がそこここに散在する場所。
その昔、バラクーダの群れが沢山いたので、バラクーダ・ロックの名がついた。
まずは、散在する岩の中でも一際大きな岩の方へ、海底を這いながら近づく。
そのとき沖合いに大きな魚影を発見。
かなり大きいのが、グルグルと回遊していた。
さっそく、奥さんに手で合図。
彼女によると、あの頭のこぶは間違い無く『ナポレオンだ!』。

大きな岩の下を潜り抜けると、崖下に小さな洞穴があった。
中は、3畳程の広さで、潮が頻繁に出たり入ったりしていて、きょっと危ない。
洞穴を後に、再び沖へ。
ところが、突然、左耳の耳抜きができなくなる。
他の人達は、mr.ブレントに連れられて海底散策なのに、
ぼくひとりかれらの頭上5~6mのところをうろうろ。
でも、mr.ブレントは一向に心配しない。探さない。
うちの奥さんにやっと見つけられ、一安心。
しばらくは、ノンビリと空中遊泳の気分。

なんとか、耳抜きに成功しみんなを追いかけた。
小さな岩の下のトンネルを潜って、見通しの良い広場にでる。
と、左手の岩陰を横切る大きな黒い影を発見。
慌てて岩陰から顔を出すと、なんと、またナポレオンが!
とりあえず、奥さんに合図をしてやる。
彼女が振り返るやいなや、ぼくは足早に通り過ぎようとする彼を追いかけて、
泳いだ、泳いだ。
でも、泳ぎで彼に勝てるはずもない。
やがて、はるか沖合いに消えていった。

2000年5月5日 1st dive drift from Barracuda Rock to Crevice

水温29.0度。視界30m。平均水深18.1m。最大水深34.9m。潜水時間45分。...快晴。

さすがに3日連続のダイビングは、しんどくて4日目は休んだ。
そして、今日はゴールデンウィーク最後のダイビング。
ショップに着くと、ちょっといつもと様子が違う。
うちの奥さんによると、
オーナーの奥さんのmrs.ポーラが、『あなたたちは私と一緒ね。』
みたいなことをインストラクターのユミコさんに言っているらしかった。
ひょっとして、一緒に潜ってくれるっていうことかな。と、
半信半疑。
なにしろ、これまでmrs.ポーラが潜る姿などみたことがない。
確かに、トレジャーハンターとしてこの世界では広く知られたジョンさんの奥さんなのだから、
これまで数え切れないほど、ジョンさんと一緒に潜ってきたことだろうけれど、
いまのmrs.ポーラは、GTDSの肝っ玉かあさんという感じだし、
趣味で潜ることはあっても、いまさらインストラクターとして潜るというのは...

バラクーダ・ロックにつくと、そんな疑問は吹き飛んだ。
ここからエントリーするのは、mrs.ポーラと僕たちと、
地元の人と思われる白人数名。
それに来月からGTDSのインストラクターになるという
日本人の美人さん(ごめんなさい。名前忘れちゃった。)だけ。
その他大勢の人達は、クレビスでエントリー。

特別なダイブだ。
その太った体もウェットスーツを着るとなぜか格好良く決まっていて、
mrs.ポーラのダイビングは華麗でした。
ダイビングの間中、女性らしい感性でマクロな世界を一杯見せてくれた。
やはり、トレジャーハンターの奥さんは、グアムの海を知りつくしているようです。
やがて、クレビスへ。
ボートの下5mに降ろされた鉄棒には沢山のダイバーが。
一般の人達がエグジットする間、僕たちはボートの周りで安全停止。
海の中に浮くその姿はじっと動かず、
まるで生まれたときからずっとここで生きている人のようでした。

2000年5月5日 2nd dive Western Shoal

水温28.9度。視界15m。平均水深7.8m。最大水深16.4m。ダイブ・タイム56分。...快晴。

mrs.ポーラの後について、大きな大きな珊瑚棚を右に左に。
どこまでも続くような茶色っぽいテーブル珊瑚の間に荊のような白い珊瑚の群れ。
mrs.ポーラはそのふくよかな体躯に似合わぬ華麗な泳ぎで、珊瑚の壁を、上に行ったり下に行ったり。
珊瑚と珊瑚の谷間に潜ったり。とても通れそうにない狭い穴をなんの躊躇もなく、くぐった。
『なんと正確なダイビング!』と、驚くばかり。僕にはとてもついていけない。
無理やりついていこうとしたら、
『あっ、ボンベが珊瑚にひっかかった。』
珊瑚の隙間や谷間には、表面では見られないクマノミなんかが沢山いたりする。mrs.ポーラのおかげだ。

ボートの下で、ウィンナーを取りだし餌付けを始めると、山のような魚たちが集まってきた。
ふと、視線の向こうの荊のような珊瑚を見やると、トビウオに似た、でも目がとても大きな魚が戦闘隊形でこっちを見ている。警戒してるのか。
ボートの下をくぐって、反対側に。また、荊のような白い珊瑚の上に、戦闘隊形の大きな目が。
どうも、こいつらは僕らを監視しているようだ。

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